公益財団法人セコム科学技術振興財団 令和5年度特定領域研究助成 第2弾「ジェンダード・ヘルスサイエンス分野」
(申請期限:2023年10月30日)

セコム科学技術振興財団では、研究者の自由な発想に基づく独創的なアイディアに期待し、安全安心の確保や災害防止等、国民生活に密着する研究課題を広く募集・助成してきました。そして、国民生活の安全安心に寄与する科学技術の発展をより積極的に推進するために、当財団が重点的に助成する領域を指定し、その領域の研究統括を担う領域代表者が示す研究構想に沿う研究課題に助成する研究助成を実施しております。
令和5年度は、防災分野と医工連携分野について研究課題を募集します。また、第2弾としてジェンダード・ヘルスサイエンス分野も募集します。
申請期限2023年10月30日
対象地域全国
対象団体現に活発な研究活動を行っており、助成期間中継続的に研究を実施することができる
国内の大学・大学共同利用機関法人・国立研究開発法人に所属する59歳以下の研究者を対象とします。
対象活動ジェンダード・ヘルスサイエンス研究領域の創出による多様な人々の健康向上

よりよい健康や医療のために、研究や技術開発において性差を考慮することは不可欠である。これまでの研究や技術開発においては、男性が基準とされることが多く、さらに生理・妊娠・不妊・更年期障害はタブー視されやすいため、女性の健康は特に見過ごされがちであった。そのような中、欧米では女性の健康課題を解決するためのテクノロジーを意味するフェムテック(Female+Technologyの造語)が急速に広がっている。生体情報のセンシング技術やAIによるヘルスデータの解析技術を利用した様々な製品・サービスが開発され、その世界市場は2030年には13兆円に達すると予想されている。
日本でも女性活躍やジェンダーギャップ解消にむけて、フェムテックが拡大しつつある。しかし、安全や安心を確保するための科学的根拠の確保や海外と比較して技術面での遅れが大きな課題となっている。
また、フェムテックは女性のみを対象としているが、男性でも更年期障害などの女性の病気というイメージがある場合には見過ごされやすく、ジェンダーマイノリティの方の健康課題についてはほとんど認識もされていない。よって、多様な人々のよりよい健康のために、様々な性における性差も考慮していく必要がある。

本領域では、多様な人々の健康向上に向けて、性差に基づくという意味の「ジェンダード」と科学研究に基づく「ヘルスサイエンス」を掛け合わせた「ジェンダード・ヘルスサイエンス」という新しい研究領域に関する提案を募集する。「ジェンダード・ヘルスサイエンス」が貢献できる研究テーマは広いが、本領域では、特に更年期障害のように性別に関係なく生じるが性差が認められうる健康課題を対象に、①QOL(生活の質)の向上や疾患の予防・治療等の新たな戦略につながる性差を考慮した生物・医学研究、②生体情報(体温、自律神経、心拍数、発汗、睡眠状態、深部体温など)の高度なセンシング、AI/IoT/ビッグデータを活用した生体情報の解析と性差を考慮した健康状態の予測、デバイス等によるフィードバック制御を基盤とする研究、③性差に基づく科学技術の社会実装のためのELSIや科学リテラシー向上のための研究といった提案を期待する。

助成期間中は、採択された医学・生物、工学、社会科学分野の研究者たちが活発に交流することで、学際的なシナジー効果を図る。さらに、研究の社会実装を念頭に多様なステークホルダーとのオープンかつフラットな対話の場となるプラットフォームを立ち上げる。
助成金額1件あたり最大1,500万円/年
数件程度の採択を予定
問合わせ先   公益財団法人 セコム科学技術振興財団
MAILsstfoundation@secom.co.jp
URLhttps://www.secomzaidan.jp/tokutei.html