お米から果物など幅広い農産物に用いられ、シロアリ駆除剤や家庭用殺虫剤として身近な暮らしにも入り込んでいる浸透性殺虫剤(ネオニコチノイドおよびフィプロニル)――。近年の急速な研究の進展により、環境中での持続的な慢性曝露による無脊椎動物への時間累積的毒性や、食物連鎖を通じた漁業への脅威などが明らかになりつつあります。世界の科学者コミュニティからは、生態系と生物多様性全体を脅かすことへの警鐘が鳴らされるだけでなく、ヒトの母体から胎児への移行や発達神経毒性を示す研究成果も蓄積されつつあります。 本助成は、予防原則を踏まえて、製薬メーカーの意向や現行の行政判断に左右されない独立の立場からネオニコチノイド系化合物の影響を検証する「調査・研究」活動、浸透性殺虫剤の問題点や最新の研究成果を広く共有する「広報・社会訴求」活動、浸透性殺虫剤を使わないサプライチェーンの確立をめざす「市場“緑化”」活動、国や地方の立法・行政機関に規制強化を働きかける「政策提言」活動を支援します。国の農薬再評価とオーガニック推進が進むいま、規制強化へ日本が踏み出すことを後押しできるような成果を期待しています。ふるってご応募ください! | |
申請期限 | 2024年1月31日 |
対象地域 | 全国 |
対象団体 | ネオニコチノイド系農薬に関する問題提起や、使用の削減ないし中止に取り組む個人および団体(ボランティアグループ、NPO/NGO、公益法人、研究機関、生産者など、地域、法人格、活動実績は問いません) |
対象活動 | a) 調査・研究部門 現行の農薬行政や製薬メーカーの意向から独立し、予防原則に基づいて一般市民・消費者・生産者の保護につながる調査や研究のプロジェクト、農薬再評価の資料となる生態系影響調査など (企画例:ヒトへの毒性について新たな知見をもたらす研究、沿岸の汚染実態調査、底生生物や水生生物への影響調査など) b) 広報・社会訴求部門 ネオニコチノイド系農薬の問題をより多くの人びとに伝え、どのように対処していけばいいかをともに考えるプロジェクトや、メディアを巻き込んだ課題共有の場づくり、ネット動画による情報発信など (企画例:農薬再評価パブリックコメントの呼びかけ、学習会やウェブセミナーの開催など) c) 市場“緑化”部門生産者、流通業者、消費者にまたがるネオニコチノイド系農薬の利用経路に沿って、被害を最小化するためのプロジェクトなど (企画例:消費者がネオニコフリー商品を選択できる仕組みづくり、ネオニコチノイド系農薬を使わない生産者がインセンティブを得られる実践的方法の策定・実施など) d) 政策提言部門 ネオニコチノイド系農薬をめぐる規制や利権構造のあり方を変えていくために、中央と地方の政府および議会、製薬会社、JA といった関係者に働きかけ、一般市民や地域住民と協働するプロジェクトなど (企画例:院内集会や議員・行政への署名提出、行政を巻き込んだネオニコフリー地域づくりや学校給食の脱ネオニコ化など) ※ 目標達成に複数年を要する企画提案については、申請書にその旨希望を書き込めますが、案 件の採択と支援は年度ごとに行ないます。 |
助成金額 | 1企画あたりの助成額:上限100万円 ※2部門以上にまたがる案件は、1部門を超えるごとに1部門あたり50万円を加算 |
問合わせ先 | 一般社団法人アクト・ビヨンド・トラスト 助成係 |
grant@actbeyondtrust.org | |
URL | https://www.actbeyondtrust.org/info/17753/ |