喫煙科学研究財団 特定研究助成 テーマ:認知症病態関連バイオマーカーの開発と喫煙をはじめとする生活習慣などの認知症リスクファクターの及ぼす影響
(申請期限:2024年10月31日)

喫煙等に関する独創性が高く学術上の意義が大きい科学調査研究を対象とします。
(昨今市場で急速に普及している加熱式たばこ製品、およびニコチン・ニコチン受容体等に関する研究を含みます。)
申請期限2024年10月31日
対象地域全国
対象団体代表研究者として応募できる方は、大学、研究所および病院等に所属する研究者とします。大学院生、学生、企業に所属する研究者は共同研究者として助成研究に参加することはできますが、代表研究者としての応募はできません。
また、2024 年度に当財団からの一般研究助成を受け、2024 年が助成最終年度(予定)となる代表研究者の方は、2025 年度の一般研究への応募はできません。但し、特定研究への応募は可能です。
対象活動2025年度 特定研究テーマ 研究助成について
テーマ 認知症病態関連バイオマーカーの開発と喫煙をはじめとする生活習慣などの認知症リスクファクターの及ぼす影響
背景と目的
 昨年欧米と我国で、アルツハイマー病(AD)の疾患修飾薬が初めて臨床応用の承認を得たことは、認知症医療が歴史的な転換点にあることを示唆する。即ち、認知症への対症療法の時代から、バイオマーカー診断に基づく脳アミロイドを標的とした分子病態是正へのパラダイムシフトを迎えている。
 World-Wide FINGERS研究では、ADや血管性認知症の12リスクファクターとして、教育不足と共に喫煙などの生活習慣(喫煙、肥満、高血圧、糖尿病、運動不足、過度のアルコール摂取、引きこもりなど)が指摘されてきた(Lancet, 2019)。一方、現在までに確立された診断法は、脳アミロイドのPET画像による検出と脳脊髄液中のアミロイド定量による。しかし、本年になり、ADや血管性認知症の発症の10年以上前から神経炎症関連の血中バイオマーカーが有意に上昇することが報告された(Nature Aging, 2024)。
 本特定研究では、認知症を異常な脳タンパク質凝集症と捉え、その凝集を促進する要因や派生的に脳機能を増悪させる神経炎症などを反映する新規血中バイオマーカー測定法の開発と必要に応じて既知のバイオマーカーの超高感度化を推進して、認知症の早期診断と喫煙をはじめとした生活習慣関連認知症リスクファクターが血中バイオマーカーにいかに表出されるかの解明を目的とする。

主要研究項目
・アルツハイマー病態を反映する分子標的PETとそれに影響する因子
・アルツハイマー病における神経細胞ミトコンドリア活性の血液バイオマーカー
・脳アミロイド蓄積を制御する分子による新規バイオマーカー開発
・アルツハイマー病の既存バイオマーカー高感度化と脳アミロイドアンギオパチーのバイオマーカー開発
・既知及び新規のバイオマーカー分子に対するモノクロ抗体の調整
・アルツハイマー病のリスクファクターの血中バイオマーカーへの影響とその意義の研究
・アルツハイマー病の診断・治療における血中バイオマーカーの意義についての研究
助成金額1 研究課題 1 年当たり 200 万円とします。但し、助成 3 年目以降は、評価によって年度毎に増額または減額となる場合があります(150 万円~350 万円)。
問合わせ先   公益財団法人 喫煙科学研究財団事務局
MAILoffice@srf.or.jp
URLhttps://www.srf.or.jp/category/project