1型糖尿病は生活習慣とは無縁で、突然膵臓内の膵β細胞が破壊され、インスリンを作る能力が失われる病気です。現在の治療法は絶対的に不足しているインスリンの「補充」を一生継続する対処療法のみです。患者は毎回の食事に応じたインスリンを、注射(1日4回程度)や小さな機械(インスリンポンプ)によって補充を行います。食事療法や運動療法が中心の2型糖尿病とは治療の考え方が全く異なります。日本における1型糖尿病患者数は10万~14万人と推定されていますが、糖尿病全体の数%以下で14歳以下患者の年間の発症率は人口10万人当たり1.5~2.5人と希少性の高い疾患です。このような希少性により1型糖尿病の社会的認知度は低く、また患者はつらい「低血糖」と合併症につながる「高血糖」との狭間で一生過ごしていかなくてはなりません。治療の継続は患者本人の苦痛はもとより、家族にとっての精神的、経済的負担も多大なものとなっています。 このような状況において、私たち日本IDDMネットワークは1型糖尿病の「根治」を願い、2005年に「1型糖尿病研究基金」を設立いたしました。この基金により1型糖尿病根治に向けた先進的な研究に取り組んでいる研究者の方々や団体に対し研究費の助成を行い、一日でも早く決め手となる治療法が確立されることを期待してまいりました。 基金設立後、2008年度に初めて2件の研究費助成を実施することができ、これまで合計147件、7億7,086万円の研究費支援を行っております。 18回目となる本助成課題募集では、焦らずに時間をかけて研究に取り組めるよう最長12年間の継続助成のメニューも新設しました。日本学術振興会による科学研究費助成事業やAMEDによる研究助成事業の支援からは外れたものの、1型糖尿病患者・家族の目線で画期的かつ先進的であると強く自負される研究や若手研究者の方々の強い信念を持った独創的なチャレンジに期待しております。 今後とも1型糖尿病の根絶を目指して研究助成を継続して参りますので、多くの研究者、研究グループの皆さまの応募をお待ちしております。 | |
申請期限 | 2024年3月8日 |
対象地域 | 全国 |
対象団体 | 助成対象者は、以下の要件を満たす方とします。 ① 1型糖尿病の研究に取り組んでいる研究者又は団体であること。 ② 日本国内に研究拠点があること。 ③ 原則として、3年以上の研究実績があること。 |
対象活動 | 1型糖尿病について以下のような「治療」、「根治」、「予防」につながる、患者・家族の目線での画期的かつ先進的な研究です。 「治療」・・現在の治療法の改善により、体への負担が軽くなり生活の質が向上すること。 「根治」・・インスリン補充から解放され、病気になる前のもとの体に戻ること。 「予防」・・これから新しく発症する患者を無くすこと。 |
助成金額 | 助成総額は500万円を予定しています。下記の3タイプの中から選択してください。 タイプA: 助成金額は上限100万円で、助成期間は1年間。 タイプB: 助成金額は上限300万円で、助成期間は1年間。 タイプC: 助成金額は上限100万円/年で、助成期間は最長12年間 (各年の更新手続が必要、長期間の助成は米ドルでの助成となる場合が有ります) |
問合わせ先 | 認定特定非営利活動法人日本IDDMネットワーク |
kenkyu@japan-iddm.net | |
URL | https://japan-iddm.net/news/research_grant/30915/ |