「おもしろく、地域を巻き込むホテル」プラトンホテル株式会社

「おもしろく、地域を巻き込むホテル」
プラトンホテル株式会社

近鉄四日市駅から徒歩3分の場所に「プラトンホテル」はあります。四日市に本社があるワンオーナーワンホテルであり、宴会場をもつシティホテルとして営業をしています。地元密着を大切にしているプラトンホテルのSDGs取組みついて、企画広報の鈴木哲也さんを取材しました。

■四日市にあるホテルとして

観光県である三重では観光地や宿泊施設等の整備はもちろんのこと、国体開催を目指してスポーツに関するイベントや施設の充実を図ってきました。四日市でも総合体育館をリニューアルし、3500人が入るアリーナ観客席や弓道場、バレーボールや体操などの施設設備が充実しました。四日市総合体育館を利用したスポーツの全国大会などが多々行われ、全国から四日市市に選手が訪れています。
四日市市の特色を生かして、当ホテルでは観光やスポーツ関係のお客様の利用を大切にしています。四日市は名古屋にも近く、全国から三重県に観光に来られるお客様の宿泊場所になっています。多くの方は、伊勢志摩に行かれますが、家族

で伊勢志摩のホテルに宿泊するとお値段が高くなることもあり、四日市を拠点に伊勢や志摩を訪問するスタイルをとる方がいらっしゃいます。三重県は、北は長島スパーランドから伊勢神宮、鳥羽、志摩、熊野古道など広い範囲に観光地があり、四日市はその拠点となり、利用される方が多いんです。F1が開催されるときなどは、鈴鹿周辺には宿泊場所が少ないため、四日市で宿泊される方がたくさんいます。また三重県で何か大きな催しをするときは、四日市での開催が多いです。交通の便が良いからだと思います。当ホテルは宴会場もありますので、企業の研修やセミナー、学会等にも利用していただいています。四日市にはコンビナート企業など大きな企業の工場があり、本社から出張に来られ長期滞在される方も多く宿泊されます。
当ホテルは「親しみやすさ」をキーワードにしています。声をかけやすいカウンター、利用しやすい宴会場などお客さまのご要望を丁寧にお聞きし、ホテルからの提案をしています。

■“おもしろさ”をプラスする。

鈴木 哲也さん

「新型コロナウィルス感染症の影響を4年間受けて、ホテル業界は厳しい状況にあります。そのなかで、今生き残りをかけて、新しいことにチャレンジしています。
当ホテルの自慢は10階のスカイガーデンです。伊勢湾の風景や四日市コンビナートの夜景を一望できます。スカイガーデンは、朝は朝食会場、昼はコワーキングスペース、夜はラウンジとして利用することができます。有料(宿泊者は無料)ですが、宿泊のお客様だけではなく、誰もが利用することができます。
2階には家具付きのシェアオフィスがあります。会員制ですが、多様なニーズに対応可能なオフィススペースとレーニングジムを設置しています。主にビジネスマンを対象にした新しいサービスを展開しています。

これからのホテルがどうあるべきか、を考えています。四日市市内で3つしかない宴会場を持つホテルで何ができるのか。何を提供できるのか。他のホテルと比べて価格が安いという理由で選ばれるのでなく、“あたらしさ”“おもしろさ”のあるホテルとしてお客さまに興味を持っていただきたい。個性的なホテルとして選んでもらいたい。
これまではホテルで忘年会や歓送迎会を行うことが、ある意味当たり前だったのを、コロナ禍でできなかったことや若い世代がそういった行事を好まなくなったことを踏まえて、会社内の人間関係を育むための新しいカタチを提案したい。例えば、会社の会議をした後に軽い食事会をするなかで人間関係を育む場を持つといったことをホテル側から提案したいと考えます。そのためには、ホテルの従業員のセンスとアンテナが問われます。社会の状況、お客様ニーズを捉えてホテルにできる提案をする。従業員に仕事として大切なことだと思っています。特に若い世代のアイデア、新しい発想が“おもしろさ”を生み出すのではないかと期待しています。そして、居心地の良いホテルとしてリピーターを増やせるのではないかと思います。もちろん従業員のマナー教育も大切です。同じくらいに、どれだけ親身になってお客様に接することができるか、が重要な社員教育だとしています。以前、お客様に、友人の結婚式の披露宴でお花をいただいたが、ホテルの部屋に花瓶がないので飾れないからホテルで飾ってほしい、と言われたことがあります。その時に従業員が、「ホテルの花瓶をお貸しして今夜一晩お部屋に飾ってはどうですか。その後ホテルに頂戴しますね」と対応しました。そのような対応をする従業員がいることを誇りに思いました。お客様が求めていることにどう応えていくかのアンテナを張って気づき、プラスアルファで何かを返していくこと、その気持ちと心づかいが大切だと思っています。お客様に当ホテルに宿泊してよかったと思っていただける価値を創造していきたいです。

■人と環境、そして地域を想うホテル

4~5年前、新しい支配人が着任し、その支配人がSDGsに関心が高く、三重県もSDGs活動を推進しているので当ホテルでも推進しよう、と動き始めました。
ホテルの従業員全員がSDGsセミナーに参加し、ホテルで何ができるのかを探す場をもちました。基本の基本、SDGsが何なのか、何年で目標達成しようとしているのか、などを学びました。国も県も推奨している取組みであり、当ホテルでも時代にのってできることを見つけ動き出そう、という気持ちでした。

四日市大学とは「食品ロス」に関する取組みを協働で実施しました。ある企業から当ホテルに賞味期限が近づいてきた非常食を何とかしてほしい、という依頼があり、非常食をリメイクして当ホテルの社員食堂の昼食メニューに利用しました。その後、四日市大学の「リメイク食フェア」に数回提供させていただきました。今考えているのは、スーパーで破棄されてしまうおでんの利用です。スーパーではおでんのゆでたまごの形が崩れていると販売せずに破棄します。もったいないですよね。そういったものをリメイクしてホテルで再利用できないかという試みです。そういう活動をしているホテルを応援したいという方に当ホテルに来ていただきたい。
もう一つ取組みを紹介すると、四日市農芸高校とプラトンホテルが共同開発したスイーツ「ふろらんたん」です。農芸高校の生徒がスイーツの企画・立案をし、当ホテルの料理長が監修をしました。材料提供は桑名もち小麦を扱うお店と地元製茶会社の和紅茶を使用しました。製造は、地元の社会福祉法人が行っています。
キャリア教育の一環として三重の高校生を対象にインターンシップを受け入れたこともあります。
地域密着・地産地消・地域企業の活性化につながる取組みをしています。

■“まるごとプラトン”利用ください

当ホテルがいろんなことをしていることを知っていただき、何かできるのではないかと高校や地域企業などからお問合せをしていただけるホテルにしていきたい。ホテル業界は激変しないと生き残れない。
地域のタウン誌に「まるごとプラトン」というタイトルで掲載します。宴会場はもちろん、コワーキングスペース、シェアオフイス、ジム、レストラン、ラウンジをぜひご利用いただきたい、宿泊はもちろんですが、さまざまなサービスをお使いいただき、ゆっくり過ごしていただきたいです。
ホテルで提供しているペットボトル飲料のペットボトルキャップを集めています。かなりたまってきました。有効活用してくださる団体や手段を探しています。

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