「花と緑と水の研究、販売〜人々の心と体の健康に」株式会社赤塚植物園

花と緑と水の研究、販売〜人々の心と体の健康に
杉浦 裕幸 氏(株式会社赤塚植物園 研究開発部部長)
生嶋 利充 氏(株式会社赤塚 グループ広報部課長)
取材:2026年6月17日(水)

花を育て、庭を手入れする暮らしに

杉浦 裕幸 氏(研究開発部部長)
生嶋 利充 氏(グループ広報部課長)

赤塚植物園グループの理念は「一人の健康から地球の未来まで」。人々の心と体の健康に「花・緑・水」を役立てていこうと、植物、水、健康、環境、地域貢献を一体的に捉えた様々な事業を展開しています。
1961年の創業から今日に至るまで、三重県のサツキの大産地化や洋ランの組織培養技術の確立、植物の宅配事業、海外から珍しい植物の導入など、園芸業界のパイオニアとして、暮らしの中で植物を楽しむ文化を日本に根付かせようと取り組んできました。

赤塚植物園オリジナル品種として主に生産しているのは、シャクナゲやクリスマスローズ、タイタンビカスです。シャクナゲの生産は1972年に創業者の故・赤塚充良がアメリカの公園や庭園に咲く見事なシャクナゲを目にし、その大きさと美しさに感動したことから始まりました。この美しい花が日本中で咲き誇る姿を夢見て、約40万本の苗を日本へ持ち込みますが日本の気候には合わず、そのほとんどが枯れてしまいました。日本の気候に合うシャクナゲは日本で作るしかないという思いで、1981年からオリジナル交配を開始。その結果生まれた耐暑性に優れた美しい数多くの優良品種を作出し、生産しています。クリスマスローズは、同社で選抜した品種を交配し、新しい品種をつくり生産しています。タイタンビカスは、アメリカフヨウとモミジアオイを交配して作ったオリジナル植物です。夏に美しい花を数多く咲かせます。現在、タイタンビカスは機能性成分としての観点での研究が始まり、観賞するだけではない新たな価値を生み出す植物となっています。
赤塚植物園は2027年に横浜で開催される国際園芸博覧会「GREEN×EXPO 2027」にシャクナゲとタイタンビカスで出展します。同社が園芸植物の育種にとどまらず、タイタンビカスの花をきっかけに植物を科学的に探究し、その知見を人々の健康への貢献へとつなげようとしている姿勢が印象的でした。

植物を健全に育成する水

赤塚植物園グループの事業は「花と緑の事業」と「水の事業」の二本柱です。水の事業のきっかけとなったのは、1981年から始まったコスタリカからのドラセナという植物の輸入でした。当時、ドラセナの丸太をコンテナに積んで船で輸送していましたが、輸送中に腐敗してしまうことが多く、事業としては大きな損失を抱えていました。しかし、国際協力の一環として始めた事業であったためやめるわけにはいきませんでした。腐った部分を切り落としたり、殺菌したりと様々な方法を試しましたが、なかなか改善しませんでした。創業者の赤塚は、植物栽培における水の重要性を早くから認識していました。日本各地のさまざまな水を取り寄せ、植物への影響を調べていた中で、ある特殊な水と出会いました。その水をドラセナに試したところ、腐敗していたドラセナから新芽や根が出始め、再び生長するようになりました。そして、水の研究が本格的に始まり、水を活性化する同社独自の技術を開発し、FFCと名付けました。
FFCには、動植物の機能を高める、酸化と還元のバランスを整えるなど、様々な働きが確認されており、FFCを応用して、健康飲料をはじめスキンケア製品や土壌改質材、水改質装置などの製品を開発し、提供しています。これらのFFC製品は家庭の健康や植物・農業の分野だけでなく、水産、畜産、食品加工、プールなどの施設など、様々な業種で使用されており、全国各地で多くの事例が報告されています。また家庭や産業で使用することで、同時に環境改善にもつながります。
例えば、広島県のある水産事業者ではFFCで海水を改質し、養殖施設で使用しています。そして、その排水が流れ込む海域でアマモの再生が確認された事例もあります。また、伊勢湾で採取したアマモを用いた実験では、FFCを使用した水槽の方が、使用していない水槽よりもアマモの成長が早いことが確認されています。タイやヒラメなど水産物の養殖分野でも実績があり、近年注目される陸上養殖分野でも水環境の改善技術として期待されています。三重県内でも多くの事業者の方にFFCをお使いいただいていますが、今後さらに多くの方にFFCを使っていただき、広く社会に普及することを目指しています。

地域とともに〜人と植物が出会う場づくり

赤塚植物園グループは、「花と緑で人々の心と体の健康に貢献する」ことを大切にしています。植物を育て販売するだけでなく、人々が花を見て散策し、心身の健康づくりに役立ててもらうことを目指しています。
津市内にある「レッドヒルヒーサーの森」はもともと荒れてしまった山だったのですが、里山の環境を生かしながら整備をし、シャクナゲなど花の生産や生育の実証の場としていました。少しずつ観光庭園へと整備し、2016年に里山庭園としてオープンしました。シンボルツリーは世界一のっぽの木として知られるセンペルセコイア。この木の内部が赤いことから「レッドウッド」と呼ばれ、レッドヒルの名前の由来となっています。そのレッドウッドが立ち並ぶ森や約500品種1500株以上のバラが咲く「ローズガーデン」、富士山麓からやってきた藤の名木・巨木が22本植栽された「藤のガーデン」、モネの名画をモチーフにした「スイレン池」など、四季折々の花々を楽しみながら散策していただけます。
鈴鹿市にあるしだれ梅の「鈴鹿の森庭園」は、日本の伝統園芸文化のひとつであるしだれ梅の「仕立て技術」の存続と普及を目的として誕生した研究栽培農園です。日本最古の「呉服しだれ」をはじめ、匠の技と歴史が受け継がれた梅の名木が約200本植えられており、伝統文化の保護・育成という目的だけでなく、梅が開花する約1ヵ月の間に約10万人の方にお越しいただくなど、地域の観光事業にも貢献しています。
また、2001年から「レインボープレゼント」という活動を続けています。津市内の小学校などにチューリップの球根を贈る活動で、2025年で25回目を迎えました。植物を育てることを通して、生長を見守る喜びや、自然や生命の大切さを子どもたちに学んでいただきたいという願いを込めて行ってきました。2025年は、津市内の小学校50校に加え、県立支援学校や児童養護施設などを含む63施設へ、約1万6,400球の球根を贈りました。小学校では、在校生が植えた球根が、翌年新しく入学する子どもたちを迎える頃に花を咲かせます。
これらの取り組みが評価され、2022年1月に「三重県SDGs推進パートナー登録制度」において同社は第1期登録者として登録されています。

赤塚植物園グループ 
1961年に赤塚植物園として創業
赤塚植物園グループは、「株式会社赤塚植物園」「株式会社エフエフシー・ジャパン」「株式会社赤塚」
の3社で構成されており、従業員数はグループ全体で約200名。ハワイとブラジル、タイに現地農場を持つ。

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