「インスタントコーヒーとSDGs〜ココロとカラダの健康に」AGF鈴鹿株式会社

インスタントコーヒーとSDGs〜ココロとカラダの健康に
小泉 孝司 氏(AGF鈴鹿株式会社 第一管理部安全環境Gマネージャー)
杉田 民明 氏(AGF鈴鹿株式会社 第一管理部人事・総務Gグループ長)
稲垣 秀和 氏(AGF鈴鹿株式会社 第一管理部人事・総務Gマネージャー)

味の素AGF㈱のコーヒー製造を行う工場

小泉 孝司 氏(第一管理部安全環境Gマネージャー)
杉田 民明 氏(第一管理部人事・総務Gグループ長)
稲垣 秀和 氏(第一管理部人事・総務G)

AGF鈴鹿株式会社は、味の素AGF株式会社の生産関係会社として、2006年4月に発足しました。当工場では、コーヒー及びお茶製品の製造を行っています。
コーヒー製品では、インスタントコーヒーをはじめ、レギュラーコーヒー、スティックMIX、業務用製品など、幅広い商品を製造しています。また、お茶製品については、主に粉末タイプの商品を製造しています。
AGFのインスタントコーヒー製造設備を有しているのは、鈴鹿の工場のみです。そのため、AGFのインスタントコーヒーは全てこの鈴鹿の工場で製造しており、コーヒー製造からパッケージングまでを一貫して行っています。一方、関東にも工場があり、主にレギュラーコーヒーやスティックMIXの製造を行っています。加えて、インスタントコーヒーなどについては、包装から出荷までを担うほか、鈴鹿工場から東のエリアをカバーする拠点としての役割も果たしています。

コーヒーは、「生豆」と呼ばれる乾燥状態のコーヒー豆を原料としてつくられます。原料となる生豆は世界各国のコーヒー生産地から輸入しており、主な調達先はブラジル、ベトナムです。当工場では、年間約36,000トンの生豆を使用し、多種多様な商品を製造しています。製造している商品は、「ブレンディ🄬」と「マキシム🄬」の2つのブランドとなり、生産量が多いのは「ブレンディ🄬」の商品となります。

味の素AGF㈱のSDGs

AGFグループは、それぞれの役割に応じてSDGsへの取り組みを推進しています。
AGFグループでは、「いつでも、ふぅ。AGF」をコーポレートスローガンに掲げ、「ココロとカラダの健康に貢献する企業であり続けること」をサステナビリティの基本的な考え方としています。この方針のもと、AGF鈴鹿株式会社では、製造工程における資源循環の推進、省エネルギー化、水資源や森林資源の保全に取り組んでいます。また、災害対応や環境教育などの地域貢献活動を通じて、地域とともに歩み、地域とのつながりを大切にしながら活動を展開しています。
AGF鈴鹿株式会社のSDGsへの取り組みは、特別に新しく始めたものではありません。これまで一つひとつ積み重ねてきた活動が、結果としてSDGsの達成につながっていると考えています。従来から取り組んできた環境活動や地域貢献活動が、SDGsの理念と一致しており、それぞれの活動がどの目標につながっているのかを整理し、明確にしてきました。そのため、
SDGs専門の部署や担当者を特別に設けているわけではありません。企業活動や社会貢献活動の中に、SDGsの視点が自然に組み込まれていることが、AGF鈴鹿株式会社の取り組みの特長です。今後も、環境活動や地域貢献活動をはじめとするさまざまな取り組みを通じて、持続可能な社会の実現に貢献したいと考えています。

資源循環

AGF鈴鹿株式会社では、インスタントコーヒーの製造工程で発生するコーヒーグラウンズ(抽出後のコーヒー粉)を、貴重なエネルギー資源として有効活用しています。インスタントコーヒーの製造に伴い、乾燥状態で年間約8,000トン、水分を含めると約3万トンのコーヒーグラウンズが発生します。当工場では、このコーヒーグラウンズを燃料として活用し、燃焼によって生み出された熱エネルギーで蒸気をつくり、生産工程のエネルギーとして利用しています。コーヒーグラウンズは発熱量が高く、工場内における重要なエネルギー源のひとつです。そのため、排出されるコーヒーグラウンズは全量をボイラー燃料として使用しています。
この燃料化技術は、AGF鈴鹿株式会社の設立以前から取り組まれてきたものです。当時はまだSDGsという言葉はありませんでしたが、省エネルギーや環境負荷低減の観点から継続して進めてきました。化石燃料に頼るのではなく、コーヒーグラウンズを燃料として活用することで、効率的かつ環境に配慮したエネルギー利用を実現しており、資源循環の取り組みの一つとなっています。
燃焼後に残る灰は年間約100トン程度ですが、これについても委託先にて路盤材などへ再資源化されています。また、当工場ではコーヒーグラウンズだけでなく、工場から排出される副産物や廃棄物についても有効利用を進めています。例えば、お茶の抽出後に発生する茶葉についても有効活用しており、燃料として利用できるものは燃料化し、それ以外のものは肥料化することで、資源循環につなげています。こうした取り組みにより、当工場ではゼロエミッションを100%達成し、継続しています。

エネルギー

インスタントコーヒーの製造工程では、コーヒーを抽出した後に濃縮・乾燥を行うため、大量の熱エネルギーを必要とします。そのため、製造に伴うエネルギー使用量やCO₂排出量をいかに削減していくかが、重要な課題となっています。
AGF鈴鹿株式会社では、燃料をガスへ切り替えることで低炭素化を進めるとともに、コジェネレーションシステムを導入し、ガスを活用した自家発電を行っています。これにより、エネルギーを効率的に活用しながら、環境負荷の低減に取り組んでいます。
さらに、昨年度には太陽光発電設備を導入し、発電した電力を自社で使用しています。再生可能エネルギーの利用拡大は、持続可能な社会の実現に向けた重要な取り組みの一つと位置づけています。

水と森林

コーヒーを抽出する工程では、大量の水を使用します。当工場で使用する水は、主に工場内の井戸から汲み上げており、水資源の確保は生産活動において非常に重要なテーマです。また、使用後の排水については、工場内に設けた排水処理設備で自社処理を行い、伊勢湾流域の基準に沿って適切に排水しています。環境に対する説明責任を果たすため、各種環境データを適切に管理し、サステナビリティレポートなどを通じて情報開示を行っています。
「AGF🄬ブレンディ🄬の森」は、2014年に本社と共同で始めた取り組みで、現在はAGF鈴鹿株式会社が中心となって活動を進めています。森林が健全に保たれることで、土壌に水が蓄えられ、長い年月をかけて地下水となり、工場で利用する水へとつながっていきます。

当工場で使用している水は鈴鹿川水系に由来しており、その水源は鈴鹿流域の森林です。「AGF🄬ブレンディ🄬の森」も、その鈴鹿流域の一角にあります。水を多く使用する企業として、水源の森を守り、育てていくことが重要であるとの考えから、この取り組みはスタートしました。活動開始当初は、社会貢献と社員への環境教育を目的として、工場で使用する水の水源である鈴鹿川流域の森林整備・自然保護に取り組んできました。また、AGF鈴鹿株式会社が使用する水の水源を守る活動を行っていることを伝えるとともに、実際に森に入り、自ら体験することで学ぶ機会を提供してきました。
この活動は、NPO法人森林の風との協働により進めています。整備対象面積は16.4ヘクタールで、現在は年2回の活動を実施しています。参加者は主に社員で、新入社員研修の一環として活用しているほか、毎回40名程度の希望者を募って活動しています。これまで多くの社員が参加しており、会社の継続的な取り組みとして定着しています。なお、日常的な森の管理は、NPO法人森林の風に担っていただいています。
この活動には、大きく二つの側面があります。一つは、森を育てるための森林整備です。不要な枝を切る枝打ちや下草刈りなどを行い、森林の健全な成長を促しています。もう一つは、森林環境教育です。森林内に遊歩道を整備し、自然の中で学べる環境を整えることで、環境教育の場としても活用しています。

環境教育

AGF鈴鹿株式会社では、小学校や放課後児童クラブへ出向き、環境に関する出張授業を実施しています。授業では、「AGF🄬ブレンディ🄬の森」の活動や、3R(リデュース・リユース・リサイクル)の考え方について紹介しています。そのうえで、子どもたちが「自分たちにできる環境への取り組みは何か」を考える機会を設けています。また、マイボトルづくりや、工場から出るコーヒーグラウンズを活用したハンカチ染めなど、体験型のプログラムも実施しています。こうした活動を通じて、子どもたちが環境問題をより身近なものとして捉え、関心を深めるきっかけになればと考えています。
取り組みを始めた当初は、三重県の教育委員会を通じて各小学校などへご案内いただく形で進めていましたが、現在では各小学校等から直接ご連絡をいただき、実施する機会も増えてきています。今後も、小学校や放課後児童クラブなどと連携しながら、継続的に環境教育に取り組みます。

防災

AGF鈴鹿株式会社は、地域貢献活動の一環として、防災への取り組みを進めています。2025年3月には鈴鹿市と防災協定を締結し、大規模災害発生時に太陽光発電設備による電力や飲料水を提供する体制を整えました。災害時には、地域への支援活動を行うことを想定しています。また、工場としては事業継続計画(BCP)を整備し、大規模地震を想定した防災訓練を年2回実施しています。訓練では、避難経路の確認や避難行動の実践を通じて、緊急時に迅速かつ適切に対応できる体制づくりを進めています。さらに、防災会議を毎月開催し、課題や情報の共有を行うことで、防災に関する意識の向上と継続的な改善に取り組んでいます。

労働環境

AGF鈴鹿株式会社では、全ての従業員が安心して働ける職場を目指し、さまざまな制度や環境整備を進めています。基本的には本社とほぼ同様の制度を整えていますが、女性が現場でより働きやすい環境づくりなど、AGF鈴鹿株式会社独自の取り組みも行っています。
当社における女性従業員比率は約2割です。女性従業員を対象にアンケートやヒアリングを実施し、現場で働くうえでの女性特有の課題やニーズの把握に努めています。その結果をもとに、必要な改善策を検討するプロジェクトを立ち上げ、プロジェクトメンバーを中心に、現場の声を丁寧に取り入れながら職場環境の改善を進めています。

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