「ごまがつくる持続可能な未来」九鬼産業株式会社

ごまがつくる持続可能な未来
伊藤 雄史 氏(九鬼産業株式会社 総務部次長)
浦田 隆幸 氏(九鬼産業株式会社 開発部販売促進課課長)
取材:2026年6月22日(月)

九鬼産業のごま製品

伊藤 雄史 氏(総務部次長)
浦田 隆幸 氏(開発部販売促進課課長)

もともと四日市は菜種の産地で菜種畑が広がっていました。創業当初、弊社も菜種油を製造していましたが、「油を搾るなら、より価値の高いごまから油を搾ろう」と考え、ごま油の製造を始めました。
ごまは暖かく乾燥した地域で育ちやすい作物のため、ナイジェリアやタンザニア、グアテマラなど20か国以上から輸入しています。創業時はごま油のみ製造していましたが、食品ごま、ねりごまも製造するようになり、現在はごまパウダーの製造も開始しています。

特許を取得した微粉化技術のごまパウダーを使用し、「黒ごまラテ」などの商品を開発しました。特に「腸活黒ごまラテ」は好評をいただいています。「腸活」というキーワードへの関心の高まりもあって、今後さらに伸ばしていきたい分野でもあり、改めてごまの可能性を強く感じています。
もちろん「黒ごまラテ」もおすすめではありますが、一番のおすすめは何かと問われますと弊社の看板商品でもある「ヤマシチ純正胡麻油」です。ごま油は焙煎温度によって風味が変わります。焙煎温度が高くなるほど香りは強くなりますが、その分、ごまを焙煎した際の苦味やえぐみも出やすくなります。「ヤマシチ純正胡麻油」は香りとまろやかさのバランスが良く、ほどよい香ばしさを楽しめる商品です。

ごまとSDGs〜資源循環・自然エネルギー・災害

ごまは約半分が油分のため、搾油をすると「ごま油」と「ごま粕」に分かれます。弊社では、このごま油の製造工程で生じる「ごま粕」を廃棄せず、三重県大紀町のリサイクル工場で肥料化しています。廃棄物を資源として循環させる「資源循環」の一環として進めています。
また、工場には太陽光パネルを設置しています。発電した電力の一部は自社で使用し環境負荷の低減に役立てています。
BCP(事業継続計画)の観点からも取り組みを進めています。ISO22301の認証を取得し、災害時でも事業を継続できる体制づくりに取り組んでいます。バックアップ拠点、物流拠点の分散化も行っています。

ごまとSDGs〜フェアトレード

ニカラグアの農家様と商社様を介してつながり、フェアトレードのごまを販売しています。ごまの普及、安全・安心で高品質なごま商品をお届けしたいという想いから取り組みを行っています。年に1回は現地を訪問し、生産者の皆様と交流するようにしています。毎年、天候や社会環境などの状況が変化します。実際に現地へ行って、状況を把握し、生産者の皆様と話をしながら、一緒に取り組むという姿勢を大切にしています。
フェアトレードとは、生産者もメーカーも対等な関係で「良い商品」を共に発展しながら皆で幸せになろう!という考えのもと、実施されています。
日本でのフェアトレードに対する考えについてはまだまだ課題はありますが、弊社もフェアトレード商品を扱う企業として、またニカラグア共和国で丹精込めて育てられたごまを託されたものとして、より多くの方にフェアトレードを知っていただけるよう情報発信をしていきます。
フェアトレードのごまを広めるため、食育活動にも力を入れています。昨年、鎌倉市でフェアトレードのごまを使ったおにぎりが販売されました。その流れもあり、今年は同市の小中学校の給食にフェアトレードのごまを使用いただきました。

ごまとSDGs〜国産ゴマの生産

約10年前、小規模な栽培からスタートした国産ごまの取り組みも継続しています。社内でプロジェクトチームを立ち上げ、三重県内を中心に国産ごまの生産拡大に取り組んでいます。
この10年間、農家の皆様と一緒に取り組んできた結果、「ごまは面白い」と感じてくださる方も増え、現在、三重県内でごま栽培をしてくださる農家様は約50軒まで増えました。また、今年の新商品として、産地限定「三重の金ごま」を販売することができました。
ごまの播種時期は6月頃、収穫は8月末から9月末頃、約3か月で収穫できます。複数の福祉事業所様と連携し、農福連携にも取り組んでいます。

ごまとSDGs〜食育

ごまを教材に食育を実施しています。四日市市内の幼稚園でごまをプランターでごまの栽培を行い、種まきから収穫、乾燥、脱穀までの体験を行いました。地元に密着した活動として、子どもたちに
ごまや食の大切さを伝えていきたいと考え取り組んでいます。

九鬼産業株式会社
明治19年(1886年)創業。今年で創業140周年。従業員数は212名。本社は四日市市、本社工場を併設しています。

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